みみはなのど はらだクリニック

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院長コラム

飛行機に乗って耳が痛くなる(航空性中耳炎)方へ

 鼻と耳がつながっていることは御存知の方も多いと思います。
どこでつながっているかというと、鼻の奥、ノドとの境の近くと鼓膜の内側のところです。
この管を耳管といいます。耳管は、普段は閉じていて時々、例えば物を飲み込む時とか、あくびをする時とかに開いて鼓膜の中の圧を調節したり、清浄作用をしたりしています。
この耳管の通りが悪くなると鼓膜の中の圧を逃がすことができなくなり、耳がボワーンとして(耳閉塞感)聞こえが悪く感じたり、音が響いて感じたり、水の中で音を聞いているような感じがします。
これは風邪をひいた時によく起こります。しかしこれと同じことが飛行機に乗った時とか、スキューバダイビングした時にも起こります。飛行機が上昇すると気圧が下がり鼓膜の中は地上の気圧なので鼓膜はふくらみます。普通はここで耳管がひらいて鼓膜の中の圧を抜きます。
上空では高度1万メートル近い上空の気圧に耳の中の気圧を合わせます。そして降下する時、今度はだんだん地上の気圧に戻ってくるので鼓膜はへこみます。この時に耳管がひらいて気圧を調節しないと鼓膜のへこみはどんどんひどくなって激しい痛みを感じます。地上まで調整できないと鼓膜の中に炎症を起こしてしまいます。これを「航空性中耳炎」と言います。スキューバダイビングの時は、潜水する従って水圧がかかって同じことが起こります。
最近は飛行機を利用する人も増えて、航空性中耳炎を起こす人をよく見かけます。

意外と知らない「ビタミンDの効能」

  ビタミンDは骨の形成に関与し、不足すると”くる病”になることはよく知られています。
しかし、ビタミンDが免疫機能にも関与していることを知っている人は少ないでしょう。
ビタミンDは、大人になっても骨の代謝に関与していますし、免疫力を高める働きもしています。
今回、新型コロナウィル感染症に対し、免疫力を高め感染防止に、ビタミンDが一役かっていることがわかりました。(注
つまり、体の中のビタミンD量が、充分ある人は、新型コロナにかかりにくく、
また重症化しにくいということがわかったのです。逆に体の中のビタミンD量が少ない人は、多い人より抵抗力が低いこともわかりました。

そこで、ビタミンD量が、充分にあるかどうか測定し、不足している場合には、ビタミンD製剤を服用したり、ビタミンDを多く含むきのこ類や魚介類、特に魚の皮を食べるようにした方がよろしいでしょう。
ビタミンD量が充分ある人は、このようなことをしなくとも良いですが、人により、体の中にあるビタミンD量は様々です。
気になる方は、一度ご相談ください。

(注)文献
1)Patterns of COVID-19 Mortality and Vitamin D: An Indonesian Study
2)William B.Grant 他 nutrients、 2020.12(6)、1626
3)David Suika, MD他 Mayo Clinic Proceedings,2020,5, volume95, ISSUE8,p 1804
4)Virna Martin Gimenez他 Life sciences.2020 ; 254; 117808.
5)アンチエイジング医学会誌 2020 vol.16 No3 "満尾正著 ビタミンDとCOVID-19"
他より抜粋

睡眠時無呼吸症候群

  原子力発電所の大爆発という皆さんは東北の震災の時の福島第一発電所の思う浮かべるでしょう。
しかし今までにも何回か世界中では起こっているのです。
1986年旧ソ連のチェルノブイリで原子力発電所が大爆発し、放射能がヨーロッパにまで風で流されて大問題となりました。
さらに その1979年、アメリカのスリーマイル島にあった原子力発電所が大爆発し、周辺を広汎に放射能で汚染し大問題となりました。これが核兵器ではない平和な利用のはずの原子力発電所 の最初の爆発です。
この時、 原子力発電所の爆発の原因が発電所員 が勤務中居眠りをして計器のスイッチをON、OFFを逆にしてしまったからだと言われています。
その原因が、この職員が睡眠時無呼吸症候群で夜熟睡できず、睡眠不足で昼間に眠気を催したことだったとわかり、睡眠時無呼吸症候群が一躍有名になりました。
そして現在、米国のみならず日本でも睡眠時無呼吸症候群 は、肥満の増加と共に増えています。
そして 困るのは、日中仕事に集中できないばかりか車を運転中に眠気を催し、交通事故を起こすことが多いということです。
「C-PAP」等の適切な治療で良眠が得られ、日中眠気、だるさもなく、快適に生活できるようになります。
気になる方は御相談下さい。

インフルエンザのお話

 インフルエンザは、日本では寒くて空気の乾燥した、1月〜2月に流行すると言われてきました。
しかし、何年か前から 少し変わってきました。秋に流行したり、3月、4月までインフルエンザに罹患する患者様が出てきたり、夏にインフルエンザの患者様が出たりします。そもそもインフルエンザは季節と関係なく、1年中地球上にあるのです。
北半球にある日本が夏の時、南半球にあるオーストラリアは冬です。オーストラリアでもインフルエンザは流行します。
夏にオーストラリアを旅行してきた方、あるいはインフルエンザにかかったオーストラリア人が飛行機で日本に来て、インフルエンザのウィルスをばらまくことがあります。ですから真夏にインフルエンザの患者様が散発的に出ることがあります。しかし日本の夏は湿気が多いので大流行することはありません。
今や、いつでもインフルエンザにかかることがある時代になったのです。

秋の花粉症について

 秋の花粉症は、ヨモギやブタクサ、セイタカアワダソウ等、キク科の花粉が飛散して起こります。
ヨモギもとの花粉を吸い込んだ時に起こるので、ヨモギモチ等食べても起こりません。
例年、秋の花粉症は春の花粉症にくらべて症状が軽く短いのですが、今年は少し違うようです。 
 道の衛生局の調査でも9月初めからブタクサの花粉が例年になく大量に飛散し、いつもは来られない患者様が今年は多く来院しています。これは大量の花粉で症状も強く出たからでしょう。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりや目のかゆみのある方は、早めに対処しましょう。

真珠腫性中耳炎とは

 鼓膜の一部が内側に向かってへこんでゆき、そこへ耳垢などがたまって塊となっていきます。
白い真珠の様に見えるので「真珠腫」といいます。
白い真珠腫は、周囲の骨を溶かして内耳や神経を破壊して大きくなります。
原因は、はっきりとはしませんがl、浸出性中耳炎を繰り返すとなりやすいと言われています。
鼓膜の内側に向かってできる事が多いです。初期は、症状がないため見つけにくいです。
以前から中耳炎があり、耳漏が続いていた、難聴が強まってきた、めまい症状が起きてきたなどがあります。
耳のCT,MRIで検査します。手術療法がほとんどですが、真珠腫を取り除き破壊された鼓膜や耳小骨を再建します。
点耳薬などで経過観察することもあります。
早期発見、早期治療が大切です。

外耳炎について

 耳の穴の中で、鼓膜から外側までを「外耳」といいます。
耳の痛みを起こした時、中耳炎が原因である場合と、外耳が炎症を起こした外耳炎とは痛みだけでは区別がつかない事があります。耳の中を診察しないとわかりません。
しいていえば、外耳炎の場合、耳のまわりを押すと痛みが増すことが区別の要点です。
外耳炎は、抗生物質を3〜4回飲めば治ります。
※耳の掃除のし過ぎや、さわり過ぎで起こることが多いので、耳の中はあまりさわらないで下さい。

逆流性食道炎について

 逆流性食道炎は、字の通り胃の内容物が、食道に戻ってしまうことです。
普通は、食道と胃の間は、少し強い筋肉で閉じているのですが、その筋肉の力が弱まって胃の内容物が、食道からノドへ戻ってしまうことがあります。胃の内容物は、主に食物と胃液です。
胃液は、強い酸性になっていますので、食道に逆流すると食道やノドの粘膜の刺激となって炎症を起こします。ですから逆流性食道炎でノドの症状、例えば、ノドの異物感や違和感、声のかすれ等が出ることがあります。
これは結構多いものです。ゲップが出ることが多いとか、胃から苦いものがこみ上げてくることがある等の症状がある方は、逆流性食道炎を起こしていることがあります。
タバコやアルコール、チョコレート、右側臥位(みぎそくがい=右向きに寝ること)等が症状を悪化させると言われています。
治療は、まず薬物療法で胃酸を抑える方法がとられています。手術療法もありますが、実際は、あまり行われていないようです。
特にご高齢の方は、就寝中に胃の内容物が逆流し、それが気管に入って誤嚥性肺炎を起こすことがあります。
これは命にかかわる病態ですので注意しましよう。

耳の聞こえについて

 加齢による聞こえの低下は誰にでも起こります。
その上に、何かの病気があってさらに聞こえが悪くなっていることがあります。耳垢がいっぱいに詰まっていたり滲出性中耳炎という鼓膜の中に水が貯まる病気があります。
これらは、何の痛みもなくいつのまにか聞こえがさらなる悪化を起こしてしまいます。気がつかないうちに、聞こえの悪化が起こったことが、年令のせいだと思っている方も多いようです。
耳垢は、とり去れば格段に聞こえるようになりますし、滲出性中耳炎も鼓膜の中の水を抜けば聞こえはグンとよくなります。
聞こえの悪さがひどくなったような気がしたら耳鼻科で耳をみてもらいましょう。

副鼻腔炎について

 副鼻腔とは鼻の周りに鼻を取り囲むようにある空洞のことです。鼻と細い入り口でつながっています。
副鼻腔炎とはこの副鼻腔に炎症を起こした状態です。ひどくなると膿がたまって、いわゆる「蓄膿」という状態になります。
副鼻腔炎は、急性に起こるものと慢性に続くものがあります。急性のものは風邪等の後に膿性鼻汁多量に出て、ほおの痛みや頭痛を伴うことが多いのです。大抵は、左右どちらかに起こります。この時期だと抗生物質や炎症剤で治せます。
慢性になると治療は難しくなります。長く薬を飲んだり、手術をしなければならなくなることがあります。
慢性副鼻腔炎の手術では、昔は、歯肉の上を切開して骨に穴を開け、そこから膿や炎症で晴れた粘膜をとるというもので、
入院が必要でしたが、現在は鼻の穴から内視鏡をいれて、内視鏡下に手術をします。
昔から比べると患者様の体の負担は軽くなりました。

花粉症について

 雪も解けて春らしい日々になってきました。が、これは花粉症の始まりでもあり、花粉症の患者様にとっては、つらい季節でもあります。北海道では、スギ花粉症はなく(スギの木が道南の一部にしかないため)シラカバ花粉症が有名ですが、他の植物の花粉による花粉症が、実は、もう始まっているのです。それはハンノキの花粉症です。
ハンノキとはあまり聞いたことがないかもしれませんが、シラカバと同じカバノキ科に属するシラカバと仲間の木です。シラカバと近い仲間の木なので花粉を飛散させる雄花の形もそっくりですし、花粉の形も非常に似ています。シラカバと違うところは、シラカバの花粉は、ゴールデンウィークのころから飛散し始めるのに対し、ハンノキの花粉は、3月中から飛散し始めるということです。3月中から、くしゃみ、鼻水、鼻閉のある患者様は、ハンノキの花粉症になっている可能性があります。シラカバはゴールデンウィーク前後から飛散し始め、5月いっぱい飛んでいます。
6月に入ると、ほとんど飛散しなくなります。しかし、今度はイネ科の植物の花粉症が、6月7月に始まります。カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ(チモシー)といった本来はヨーロッパ原産の牧草なのですが、野生化し今はどこの草地にも生えています。
8月に入ると花粉症は一時おさまりますが、8月末から9月になると、今度は、ヨモギ、ブタクサ、セイタカアワダチソウ等のキク科の植物の花粉症が始まります。雪のない季節は上記のように何らかの花粉症があると言ってもよいでしょう。このような花粉症を起こす植物は風媒花と言って花粉を風で飛ばして広げます。一方、虫が蜜を求めて花にむらがり体に花粉をつけて他の花に広げる虫媒花は一般的には、花粉症を起こしません。
 アレルギー性鼻炎や花粉症の治療はいろいろありますが、根本的にアレルギーを治す治療は
減感作療法(いわゆる体質改善の治療)しかありません。これはアレルギーの原因となっている物質のエキスを少量づつ、毎週、注射して1年くらい続け体に免疫力をつけるというものです。症状のある時も、ない時も毎週注射に病院へ通わなければなりません。アナフィラキシーショックを起こすことがあるという欠点もあってあまり普及していません。
 薬は、その時の症状を抑えるだけのものですし、レーザー治療も再発することが非常に多い治療です。そこで、現在、新しい根本治療として舌下免疫療法という治療法が実用化されつつあります。これは注射でアレルギーの原因物質のエキスを体の中に入れていた減感作療法と理屈は同じなのですが注射ではなくてエキスをパン切れに含ませて口の中、舌の下に入れ口の中から吸収させるという方法です。利点は毎週、病院へ通わなくともよいこと、注射の痛みがないこと。それからアナフィラキシーショックのような強い副作用が非常に少ないことです。
スギ花粉については今年の秋に商品化され病院で実施されると自宅で減感作治療ができるようになり、非常に有望で待ち望まれてるところです。

耳、鼻、ノドの健康に保つために

 当たり前の話ですが、過労・ストレス・睡眠不足は体にもよくないですが、実は、めまい・耳鳴・難聴の原因になることが多々あります。 メニエール氏病、突発性難聴等は特に、過労・ストレス・睡眠不足がひき金となることが多い病気です。
また、最近は仕事で一日中パソコンの画面を見ている方がいますが、こういう方で仕事が終わって家へ帰ってから、揺れるようなフワフワするような不安定なめまい感が出ることがあります。 それからこれは昔からあるのですが、ロックコンサート難聴とかヘッドホン難聴と言って、大きな音響で音楽を聞くことによって難聴を起こすことがあります。
とにかく、極端に大きな音量は耳を傷めます。 音楽は適当な音量で聞きましょう。
声の使い過ぎは、声帯を傷めます。 声がかすれたり、出なくなったりします。
特に、保育所の保母さんや、幼稚園の先生、学校の先生には多いです。
声を使わないことが何よりの治療なのですが、声が出なくなっても仕事上無理して声を使わなければならないところが、治療上つらいところです。
保母さんや、幼稚園の先生、学校の先生には、声帯にイボのような声帯結節や声帯ポリープができることが非常に多いです。 カラオケの歌い過ぎで声がかすれることもありますが、これはしばらくカラオケを歌わなければ治るので、あまり苦労はしません。

時代と病気

 時代によって病気も変わります。 例えば、夏目漱石は現代だったら死ななかったと思います。 夏目漱石は胃潰瘍からの大量出血で死んでいますが、明治時代は手の打ちようがありませんでした。 しかし現代だったら、胃潰瘍から出血し、吐血したら救急車を呼んで救急病院へ搬送し、胃のファイバースコープを入れて出血点を見つけ、そこを処置して出血を止めれば死に至ることはないでしょう。 昔は、結核は死の病でした。 多くの人が結核でなくなりました。 しかしストレプトマイシンの発見普及後、結核は治る病気となり、現在では話題にもなりません。 ストレプトマイシンは、カビからとり出された抗生物質です。 この発見にはペニシリンの発見が大きく影響しています。 ペニシリンは初めて発見された抗生物質ですが、この発見により多くの病気を治すことができるようになりました。  医学は着実に進歩しています。 私が医学生であった1970年代には、白血病も死の病でした。 しかし、抗癌剤の改良と骨髄移植の普及によって、現在では治りうる病気となりました。 俳優の渡辺謙が、そのよい例です。 またエイズ等という病気も、私の学生時代にはアメリカの教科書にも書いてありませんでした。 エイズの世界で最初の報告は1981年のことです。 まだまだ治せない病気は沢山あります。 また、新しく問題になる病気も出てくるでしょう。 しかし、これからの医学の進歩が少しずつ問題を解決してゆくことでしょう。

聞こえのお話

 音は、空気の振動です。その振動が、鼓膜を振動させ、鼓膜の振動は、耳小骨という、人間の体の中で、一番小さな、骨に伝えられます。空気の振動が、骨の振動に、置き変えられるのです。骨の振動は、蝸牛というカタツムリの形をした器官の中のリンパ液の波動に変わります。この波動が、聞こえを感じとる神経細胞の信号に変換されて、神経の信号が脳に伝えられ音として認識されるのです。 聞こえが悪くなるというのは、この経路のどこかが悪くなることです。 現在、一般的に、耳鼻科が使う聞こえの検査の装置は、音が、聞こえたら、ボタンを押すというものです。 検査を受ける人の意志が入りますし、ボタンを押せないような、子供では、検査ができません。 そこで、検査を受ける人の意志が入らず、ボタンを押すこともなく、聞こえを調べることができないかということが考えられました。いろいろな方法がありますが、聞こえの神経の信号を、とり出して、音が聞こえているかどうかを調べようという試みが、数十年前から始まりました。  聞こえの神経信号は、頭の表面でとらえようとすると、脳波の中に埋もれています。脳波の中から、聞こえの信号だけとり出すのには、コンピューターを使った 加算という方法がとられます。何回も音を聞かせて音が出てからの脳波を足してゆくと、反応は、足した分だけ大きくなってゆきますが、アトランダムに出て いる他の脳波は、足した分だけ小さくなってゆくという原理です。数学の極限の応用です。 聞こえの神経信号は、脳の中を、のぼってゆきます。最終的には、大脳皮質まで行くのですが、その途中、脳の中のいろいろなところを通ります。その中継地点によって、出てくる反応は、少しづつ違っていて、いろいろな部位からの反応を取ることができます。 今は研究が進んで、乳幼児の聞こえを調べられる機械が出来ています。さらに、脳の中の病気を調べる一助ともなっています。

ペニシリンの発見

 現代では、細菌感染症は、あまり、こわい病気ではありません。それは、細菌を殺す抗生物質があるからです。抗生物質のなかった時代は、細菌感染症は、自然に治ることもあったのに、対し、死の原因となることも多かったのです。

 初めて、発見された、抗生物質は、ペニシリンです。イギリスのフレミングという人が発見しました。フレミングは、細菌学者で、細菌の研究をしていたのです が、ある日、細菌を植えていた培地のカビが生えているところには、細菌が生えないことに気が付きました。フレミングの非凡なところは、これは、カビに細菌 に対する何らかの力があると考えたことです。それから、フレミングはカビの研究にぼっ頭し、青カビの中からペニシリンをとり出すことに成功しました。この 発見でフレミングはノーベル賞を受賞しています。そして、カビに細菌を殺す力があることが証明されてからは、あらゆるカビが研究の対象となり、不治の病で あった結核を治す力をもったストレプトマイシンや、数多くの抗生物質が発見されました。

 さらに、現代ではウイルスを殺す物質も発見されてきています。しかし、抗生物質が、あまりに効果があるために濫用されて、今度は抗生物質に抵抗力を持った、抗生物質の効かない細菌(耐性菌)が広がってきて、治療を難しいものにしています。

 この問題に対しても、耐性菌をも殺す物質が研究され、実用化されてきていますが、まだ充分とは言えません。 まるで、イタチごっごのように、細菌を殺す薬がつくられ、その薬が効かない細菌が出、そして、またその細菌に効果のある薬を開発されるというのが、現状です。

大橋巨泉さんの病気について

 最近テレビで大橋巨泉さんを見なくなりましたが79才になり、来年傘寿のパーティを開くことを楽しみにしていたそうです。ところが最近右耳に妙な膨らみを感じ、耳が腫れてきたそうです。自覚症状は全くなく病院へ行き検査を受けたら耳の膨らみは癌の転移によるもので大変驚きショックを受けたそうです。癌がリンパ説に転移し腫れていたのです。
すぐに原発巣が捜され中咽頭に癌が見つかり、癌の進展度はステージ4Aで全身7ケ所に転移が見つかりました。大橋巨泉さんは大変落胆しましたが、奥さんに勇気づけられ治療に専念しているとのことです。
 ところで中咽頭癌とはどこの癌かご存知ですか。咽頭とはのどのことですが、ノドは鼻の後ろから食堂の入り口まで細長い部位をいいます。
そこを三つの部分に別け、上、中、下と名前を付けています。中咽頭とは、その真中の部分、口を開けて鏡でノドを見たときに見える範囲が大体の中咽頭です。 中咽頭には扁桃があり、また舌の付け根部分、舌根部があります。 そんなところの癌が全身に転移するまで、大橋巨泉さんはわからなかったのかと思われるかもしれません。
しかし癌は大抵痛みがないものです。また大橋巨泉さんの癌は扁桃にできた扁桃癌だったそうです また扁桃腺が腫れているぐらいに思って放っておいたのでしょうか。恐ろしいものです。扁桃は左右にふたつありますが、療法が癌になるということはまれです。
大抵、片方の扁桃が大きく大きく腫れて左右の扁桃の大きさの差ができた時に気をつける必要であります。
 また、報道されている耳の膨らみですが中咽頭癌では、耳の後ろや上に移転することは考えられず、おそらくは、右耳の前と下のところが腫れたのではないかと推測されます。 ここは、いろいろな病気でリンパ節の貼れるところです。上咽頭にできる癌の転移も出る所です。
 それから、悪性リンパ腫というリンパ腺の癌もあります。この癌は扁桃腺も左右共に腫れることもありますし何より両側の頚部のリンパ節が梅干し大にもゴロゴロ腫れます。 首から耳にかけては、いろいろな病気が起こるところです。良性の病気もありますが気をつけておきましょう。

頭痛について

 頭痛はいろいろな原因で起こります。急性の激しい頭痛は、脳蓋内の病気で起こることが
多いです。しかし原因不明の頭痛が蓋脳(慢性副鼻腔炎)が原因であることが多いのを
御存知ですか?耳鼻科医がよく経験しますが、頭痛がして脳神経外科へ行った患者様が、
CTや MRI検査をうけて、鼻や鼻をとり囲んでいる副鼻腔という空洞に陰があって、耳鼻科を紹介されることがあります。その陰が副鼻腔の炎症や腫瘍によることはよくあります。
また、蓄膿を治して頭痛がなおることも多いです。これはずいぶん前になりますが
韓国の朴元大統領が、慢性の頭痛に悩んでいて、それが蓄膿が原因であるらしいという診断が韓国で下されました。その頃は韓国の医療技術もあまり進んでいなかったのでしょう、
極秘で日本のある医師に蓄膿の手術が依頼されました。
その医師は鼻の治療では日本で第1人者でした。誰にも言わずにソウルに行き、朴元大統領の頭痛が難しい所にある蓄膿が原因であると確信して手術をしました。彼の診断通り原因部位から膿が出て膿と腫れた粘膜をとって手術を終了したそうです。手術後、朴元大統領は長い間悩んでいた頭痛がとれて、よく眠れる様になり大変喜んだそうです。これは30年間、極秘にされていた実話です。
このような例は多々あります。
副鼻腔炎は薄い骨1枚で脳と接しています。そこが炎症を起こすと慢性の頭痛や頭重感が
起こるのは当然です。
頭痛で悩んでいる方は、耳鼻科の検査を1度は受けられるべきです。

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